DevTermでキーパッドでマウス操作
「DevTermを組み立てて起動してみた」の続きです。
今回はDevTermのキーパッド(ゲームパッド)でマウスを操作する方法を紹介します。
スペック
下記が今回使うDevTermのスペックです。Raspberry Pi OSの入ったCM3モデルなのでそれ以外のA04やA06だとどうなるかはわかりません。A04とA06はArmbianというラズパイOSと同じようなOSをベースにしているようなのでたぶんいけるとは思います。
- ClockworkPi v3.14 mainboard
- Raspberry Pi CM3+ Lite(RAM 1GB)
- The 6.8-inch IPS screen module(1280 x 480px)
- clockwork 65% keyboard
- Battery module
- Dual speaker
- 58mm 200dpi thermal printer component
- 16GB high-speed TF-card with Raspberry Pi OS*
qjoypadのインストール
DevTermを起動させて、ターミナルを起動(Ctrl + Alt + T)します。
下記のコマンドを叩きます。
$ sudo apt update
$ sudo apt install qjoypad
これでqjoypadがインストールされました。
qjoypadの起動と設定
ターミナルで下記コマンドを叩くとqjoypadが起動します。
$ qjoypad --device /dev/input/js0
タスクバーの右の方にゲームパッド風のアイコンが表示されるのでクリックします。
qjoypadの設定画面が開きます。
Addボタンを押して新しいレイアウトを追加します。例ではpad1
という名前で登録しました。
上下左右ボタンの設定
新しいレイアウト(pad1)が登録されたら上下左右ボタンの設定をします。
- 設定画面のAxis 1 をクリックすると下記のようなウィンドウが表示されるので画像の通りに設定してOkayを押します。
- 次にAxis 2 をクリックすると下記のようなウィンドウが表示されるので画像の通りに設定してOkayを押します。
Mouse Speed
は1
に設定しましたが、数値をあげるとボタンを押した時の移動距離が長くなります。ただ、細かい調整が効かなくなるので1
が一番無難です。
もう少し細かい調整もできそうですので気になる方は他の値も色々いじってみてください。
A,B,X,Yボタンの設定
設定画面のButton1
Button2
Button3
Button4
が順にX
A
B
Y
になります。
分かりやすく書くとこんな感じです。
A
:Button2
B
:Button3
Y
:Button4
X
:Button1
ここにキーボードのキーもしくはマウスのボタンの機能をセットします。
まずButton 2
をクリックしてください。設定ウィンドウがでるので[NO KEY]
と書かれたところをクリックするとさらにChoose a key
というウィンドウが出ます。Button 2
はマウスの左クリックの機能を付けたいのでウィンドウの枠内にポインターを持っていき左クリックします。
これでButton 2
に左クリック(qjoypadの表記ではMouse 1)がセットされました。Okayボタンをクリックして確定します。
マウスボタンではなくてキーボードのキーも同様にセット可能です。
私は下記のように設定しました。
Button2
: Mouse 1(左クリック)Button3
: BackSpaceButton4
: TabButton1
: Escape
ブラウジングをするだけであれば4つのボタンのうちのどれかに左クリック
を付ければよいと思います。
最後に設定を保存するためにUpdate
を押します。
qjoypadの設定画面を閉じるか、設定画面以外のところをクリックすると上下左右キーでマウスが移動可能になります。
A,B,X,Yキーに左クリックが設定してあれば、クリックも可能です。
なお、qjoypadは電源を切ったら無効になるので、起動後はターミナルで$ qjoypad --device /dev/input/js0
を叩いてください。
DevTermの起動時にqjoypadを起動する
起動時に毎回ターミナルでコマンドを叩くのは面倒だというのであれば、autostartを使用してqjoypadを起動できます。
まずqjoypadをスタートするためのシェルスクリプトを作成します。 ターミナルで$ vim ~/pad.sh
を叩いてから下記の内容で保存します。
#!/bin/bash
command="sudo -u pi qjoypad --device /dev/input/js0 &"
eval $command
それから下記のコマンドを叩きます。
$ chmod +x ~/pad.sh
$ mkdir -p ~/.config/lxsession/LXDE-pi
$ cp /etc/xdg/lxsession/LXDE-pi/autostart ~/.config/lxsession/LXDE-pi/
そして$ vim ~/.config/lxsession/LXDE-pi/autostart
を叩いてautostart
を編集します。
autostartの最後の行に下記を追加して保存します。
/home/pi/pad.sh
これで起動時にqjoypadがスタートしDevTermのキーパッドが使えます。
なおこの起動時にqjoypadをスタートする方法はA04、A06で使えるかはわかりません。Armbianでautostartの仕組みがあれば行ける気がしますが、軽く調べてもわかりませんでした。
また、systemctlとか/etc/init.d/とかを使ってqjoypadが起動できるかもチャレンジしましたが私の環境ではうまくいきませんでした。
まとめ
DevTermのForumを見てみるとRetroPiの機能を使ってターミナル内でキーパッドを使う方法や、キーボードのスイッチをいじってみる方法などが載っていましたが、マウスを動かす方法は見つかりませんでした。
ラズパイをゲームパッドで動かす方法を探すと、qjoypadを使った記事(Gamepad Controlled Raspberry Pi Using Qjoypad)が出てきたので参考にさせてもらいました。
キーパッドでマウスポインタが動くとなんだかよくわかりませんがDevTermをいじってる感が強くなります、設定は簡単なのでDevTermを持っていたら試してみてください。
あと、autostartを使用して起動時にqjoypadをスタートさせる方法はこの記事を参考にしました。
おまけ DevTermのキュイーンという音が無くなる
新しいUSB充電器を買って、それにType-CのUSBケーブルをさしてDevTermを動かしたところ起動中のキュイーンキュイキュイという音は無くなりました。
参考までに私の環境でキュイキュイ音が出ないUSB充電器はこれです。
エレコム製の5V/2.4Aの充電器です。
キュイーンという音が出たAnker Power Core Fusion 5000は調べてみるとバッテリー使用時は5V=3A (最大合計3A)という表記がありました。アンペア数が大きすぎたのかもしれません。